北川健次展 Glass Obsession-スピノザの皮膚の破れ

白黒イラスト素材【シルエットAC】
JUGEMテーマ:コラージュ
JUGEMテーマ:個展

北川健次展 Glass Obsession-スピノザの皮膚の破れ
日本橋高島屋6階・美術画廊 X にて。
http://www.takashimaya.co.jp/tokyo/event3/#os7708
~2016/10/17まで。

こちらの画廊での先生の個展は八回目。

今回の先生の展覧会は、立体コラージュ、箱の作品が多かった。
黒い表本箱、あるいはガラスケースに入った、個々の世界観。

個展のタイトル通り、ガラスを意識させる。
透明で“姿が見えないように”存在するマチエール(素材)。
割れたり、経年で薄汚れていたり、熱と力で変形していたり……

アンティークの品々、ヨーロッパの街並みの写真をマチエールとした作品群。
私には異国情緒よりも異界の情景だった。

以下、気に入った作品の感想。


Nijinskiの廻る肉体

一見すると、ジニンスキーの写真にバネ?なのか金属の渦巻きとガラス板が配されているだけのよう。
だが、それらマチエールが各々で額縁効果を果たしている。
マチエールを境界にトリミングして見ると、それぞれが余白を活かす大胆な構成になる。
透明なガラス板が切り取る「ジニンスキーの顔」
金属の渦巻きが円形に囲む「ジニンスキーの脚」
さらに跳躍と円を描くジニンスキーの舞踏のイメージと、金属の渦巻きと歯車の円形が呼応する。

Leda

箱の中身を殆ど覆ってしまう青い羽。
向かって右に辛うじて見える絵画の足のうら。
タイトルからギリシア神話の『レダと白鳥』を、隠された秘め事を暗示させる。
青い羽はクノップフ《私は私自身に対してドアを閉ざす》に現れる、眠りの神・ヒュプノスの胸像にある青い羽を思い出させた。
夢という他人には不可侵の領域を…………
羽毛布団などという俗な発想をも、ちょっとしてみる(笑)

サラ・ベルナールの補われた七月の感情

私はパンフレットの写真を拝見しながら、「この繊細なガラスの糸に対して、貫禄のあるサラ・ベルナールを見いだすのか……?」と悶々としていた。
しかし現物を前にすると、そのガラスの糸にしなやかな強靭さを感じ、それを足掛かりにアール・ヌーヴォーのミュシャが描いたサラ、女性の身体と流れる髪のイメージが結び付く。

……タイトル忘れた

数少ない平面コラージュ作品は、改めて先生のトリミングの上手さに感嘆する。
僅かに残された女性の下唇と顎先――
その切断されたラインは後ろに配された植物の葉脈に繋がっていた。
それが作品の一体感なっている。

私がコラージュを作ると、つい首から上を切り離してしまうのに、先生はそうなさらない。
先生の制作過程での繊細かつ凄い集中力を想像して、感嘆してしまった。

唇の血色の良いピンク色は、他のマチエール――水色のドレス、深い緑の植物の葉、カメラのレンズ?――の寒色に対して差し色になっている。
それが官能的に見えた。

北川健次先生オフィシャルサイト
http://kenjikitagawa.jp/

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