紅葉の茶会
前日までの雨が止んで良かった。
“紅葉”の茶会ではあるが、今年は紅葉が遅いらしく、まだ青い葉が多かった。銀杏の葉が色付きはじめたのも先週だったか?
今回は三席の香席に入る事が出来た。
何より今までより落ち着いて、寧ろ癒されながら香を楽しめた。
一席目は『源氏香』
詳細は割愛させて頂くが、出されたお香を聞き、どれが同じか当てるもの。
いとめづらしき事など。
お記録紙を頂く事が出来た。
裏の席ではあったが、上席に座れたため。
個人情報保護のためおなまえを隠したので伝わりにくくなってしまうのだが…
お記録紙のお手前も拝見するのも醍醐味。
二席目は『三星香』
四方盆を使う、普段とは少し違うお手前。
「福」「禄」「寿」三柱の香の試しを聞き、廻ってくる香の順番を当てるもの。
これが難しい。
結果が全て当てるか、一つだけか、全て外すか、になるのだから…
此処でもめづらしき事に、当てる事が出来のだ。
私はこの席は下座だったので、お記録紙はお上客様に。
私は源氏香のものを頂けただけでも満足。
最後に、銘香席にお席入りする事が出来た。
この席では純粋に香の香りを聞き、楽しむ。当てる事はしない。
三柱の「銘」が付く香は、普段聞いているものとは異なる印象を受けた。
“奏でられた音”のようだった。其々、一息(いっそく)聞く間に香りが三種程に変化した。それこそ変奏曲のように。
成る程、だから香りは「聞く」というのか。
銘には『ミヤタケ』『ハマツバキ』『四方の枝』という、二つは伽羅と眞南蛮だった。
参考:『香木 fregrant tyree』
http://www33.ocn.ne.jp/~kazz921/koboku/koboku1.html
ベテラン先輩のお手前は自然で、流れるような所作だった。普段拝見出来なかったそれにも感嘆してしまった。
お茶席は二席。濃茶と薄茶
今年は秋を愛で謳うよりも、震災の衝撃から立ち直るための“祈り”“癒し”の場としての茶席だった。
寄席で伺ったのだが、復興支援のボランティアに参加され、茶会を開かれた方もあったそう。
お茶うけと、温かく渋味が美味しいお抹茶は、身に染み入り満たされるようだった。
陽の光を浴び、緑に癒され、美味しいものを口にし、満足した。
そう、満たされたのだ。
ごく自然な“活力を得る”とはこうした事だと改めて思った。