春季香茶会
場所も気に入っていたというのもある。
浅草寺 伝法院書院にて。
日記を読み返し、昨年はこんな事を考えていたのか…等と思う。
【過去日記】春季香茶会
今年は聞香席に二席入る事ができた。聞いた組香は下記。
「小鳥香」
五種類の香を二組作り、一方から一包み、他方からも一包み取り出します。取り出したものを入れ替え、どちらか一組を聞く。
入れ替えたものが同じものなら、元どおりで五種類聞くことになるが、他の場合は五つのうち二つは同じものになる。
同じものが何番目と何番目にあるかを当てる。
答えは鳥の名前で書きます。鳥の名前のなかで、同じ仮名のある位置が、同じ香という事。
一・ニ同香「ももちどり」
ニ・三同香「ほととぎす」
三・四同香「みそさざい」
四・五同香「あをしとど」
一・五同香「かしらたか」
ニ・五同香「かわらひわ」
ニ・四同香「ひとめどり」
三・五同香「あさりどり」
一・三同香「きせきれい」
一・四同香「くろつぐみ」
同香なし 「よぶこどり」
初めての組香だった。結果は「よぶこどり」
…聞いていると『同じものがあったのではないか?』と邪推してしまう…
因みによぶこどり(呼子鳥)とはカッコウの事(と言われている)
参考:『万葉集: 呼子鳥(よぶこどり)を詠んだ歌』
http://www6.airnet.ne.jp/manyo/main/animal/yobuko.html
参考:『第四話 よぶこどり』
http://www.geocities.jp/hirosuketakahata/hirosuke.htm
「仙洞香」
香は「花」「月」と試しの無い「雪」の三種。試しの後、「花」二包、「月」二包を交ぜて一包を除き、「雪」三包を加える。順に聞いていき、二包を一組として三組を名目で書く。
二包を正確に聞き分けないと正解にならないという難易度…
私には難しかった。
組香の名から判断して、仙人住まう所の事かと思ったが、名目から「仙洞御所」を指しているようだ。
部屋は昨年と同じ。
部屋に架かった掛軸には古代貴族の女性像が描かれている。
その人は誰も触れたがらなかった浮浪者の沐浴を手伝った。するとその浮浪者は醜女に身をやつした如来であったという。
掛軸に観音様は描かれていない。画面外、3人の群像の視線の先にいらっしゃる。それが画面を斜めに散る散華にも表されていた。
…美術の見方しか出来ない、私。
そこに描かれているのは“慈愛”と、尼さんがお話し下さった。
お茶席も…お手前が相変わらず覚束無い。
薄茶席の掛軸。
荒れた海を鎮めた如来。
蓮の花弁に乗って波の上にお立ちになる姿は静かで、眺めていると心落ち着く。この掛軸は常にこちらに掛けてあるそうだ。そう、昨年も拝見した。この掛け軸は好きだ。
春の意匠をあしらった茶器は素敵だった。「山桜」と銘のある器は灰色の中に薄紅色の模様が浮かび上がっており、外のうす曇の中咲いていた桜を思い出させた。
そして濃茶席…
今回は濃茶を全て飲む事が出来た事が精進だろうか…
季節の主菓子と美味しいお茶を堪能。
生けられた牡丹が綺麗だった。外にあったものと同じだと思う(多分…)
お庭も素敵。
今年は桜が咲いていた。寒空の下なので、皆さん暖をとりたく屋内に入ってしまいがちであったが…
心落ち着く一時だった。香を聞くと、矢張り良い。
朝、起きた時体調が悪かったが聞香席に入ってから、気分が良くなった。