紅葉の茶会
先日お香席があり、それに参加。
初め席の話を伺った時、「十二月で紅葉?」といぶかしんでいたが、季節が来ると納得。
まだまだ紅葉していた。
カレンダーや先行する商業イメージから、すっかり本来の季節感を失っていた。
お香席は二席。三景香と小草香。
三景香では、まず“試し”の3本の香木が“松島・橋立・厳島”の順にたき出される。参加者は順に回ってくるそれぞれの香りを覚えてゆく。
次に“出香”といって、“松島・橋立・厳島”の3種の香木と、 “舟”という先ほど聞いていない香1本を合わせた計4本が無作為な順序で回ってくる。
それらの香りを聞き分け、“松島・橋立・厳島・舟”の4本の香がどのような順番で回ってきたかを当てる。
三景香は上客に座れた事もあり、当たった記念に記録紙を頂けた。
二つ当たってではあったが…全部を当てるのが難しい。
しかし次に入った小草香は全く当てる事が出来なかったという…
小草香は季節の花に準えた名で香が回ってくる。今回は「ゆきささ」
「ゆ」「き」「さ」の順にたき出された香を聞く。出香すると香は4つ、「さ」が2つあり、その出た順を当てるというもの。
因みに植物の雪笹とは以下。
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/BotanicalGarden/HTMLs/yukizasa.html
お茶席も経験…にわか仕込みなのが情けないが、お茶とお茶請けに舌鼓を打つ。
待合の席で隣にいらっしゃった方が和菓子屋の女将さんでいらっしゃった。主菓子を納めた席を薦められ入った。
柿の形を模したそれは季節感と、お茶席に合う歴史を感じさせる重厚感もあった。
経験もさることながら、知識も乏しいので、謂われを聞いてただただ感嘆する私。
活けられた花や、掛軸に書かれた幸福を願う言葉に安堵していた。
始終和やかな雰囲気だった。
それはこの場に相応しいと改めて思う。
退席する際に庭に山梔子の木がある事に気付く。
橙色の実がたわわに実っていた。