表参道3大アロマショップ巡り&明治神宮の杜ウォーキング
街歩きに参加した。
アロマセラピスト・冨田ゆか氏をホストに、表参道から明治神宮を、“癒し”をテーマに街歩き。
【体調はアロマで整える】メディカルアロマセラピストとめぐる3大アロマショップ&明治神宮の杜ウォーキング~あなたの❝リラックス❞に出会う旅~〈街歩き〉 | TABICA
Summerbird Chocolateで集合。
アロマとは直接関係がないが、オーガニック素材を使った“自然派”なチョコレートを販売している。
オーガニックチョコとハーブティーを頂きながら、街歩きのテーマ、アロマリラックスについて、ちょっとしたレクチャーと解説を頂く。
また、今回の街歩きにちなんでウッディー系のアロマオイルの香りを聞かせてもらう。ウッディー系はリチャージ、リラックス効果がある。
アロマオイル(ウッディ―系)
アロマオイルはメディカルグレード(医療機関で疾患の治療や予防を目的に使われている高品質な精油)のもので、緑色のパッケージのブランド、プラナロム(※1)のものだった。
下記、(私が覚えている限りでの)冨田氏の解説と、個人的な香りの感想。
軽めのウッディー系
サイプレス
自律神経系に作用する。
女性ホルモン・エストロゲンに似ている。
子宮系に作用するようで、疾患がある場合は用いてはいけない。
スギやヒノキのような、針葉樹の香りイメージがあった。
ジュニパー
森林浴効果やリラックス効果があるピネンが多い。
ジュニパーはサイプレスのような子宮系疾患へのタブーはない。
自己免疫疾患に対して効果がある。
カラッとした大地の低木、軽やかな香りのイメージがある……
ブラックスプルース
メンソール系のような清涼感のあるさわやかな香り。
副腎の不全、むくみ、疲労感に対して有効
夏の軽井沢にあるコテージに行ったような、森林浴のイメージが浮かんだ。
重いウッディー系
シダー
鬱血除去効果がある。
深い森に入ったとき、或いは高山の木――シラビソの香りを思い出した。
サンダルウッド
古代から宗教儀式に用いられることが多い。
鎮静作用と精神的な高揚感が得られる。
白檀は香でも馴染み深いものなので、聞くと落ち着く。ウッディー系のなかでも特徴的な華やかな香りは、他のウッディー系とは一線を画すると思う。
※上記、引用文内のアロマ写真は全てPranarômより。
冨田氏は「木はめぐりの力が強い」とおっしゃる。
どんな巨木も根から水を吸い上げ、木のなかで水は循環している。それは頂上の葉の先まで至り、木は水と光を使って光合成を行っている。
また、光合成による酸素を生み出す力は人間で例えれば“呼吸”のようでもある。
外に向かって備えられた“葉”と、人間の身体の内に収められた“肺”。
ウッディー系のアロマ(ユーカリなど)に呼吸を楽にする作用があるのは、何か関係があるように思う、とも。
興味深い解釈で、納得するものがあった。
中国薬膳の考え方に「同物同治」がある。それに近いかも知れない。私はそう思った。
どうしてこんなに人間の身体に効く成分ばかりが含まれているのだろうと驚くほかない。まるで人間のために作られてきたかのように思われる。私たち人間はこんなにも自然の恩恵に浴しているのかと不思議でならない。
西村佑子『魔女の薬草箱』(p.167)
アロマの癒しから、人間がこんなにも自然の恩恵を賜っていたことを再認識する。
表参道~原宿 アロマショップ巡り
Summerbird Chocolateを後にして、表参道にあるアロマショップを廻る。
「それぞれの店舗で傾向が異なっている」 点を意識してみると、面白かった。
Neal’s Yard Remedies(イギリス)
香水や化粧品、ハンドクリームなど美容に関するものが多かった。
元々は薬局で、オーガニックコスメの販売から、アロマを手掛けるようになったそう。
コスメ関係から発展したためだろうか。上品なライフスタイルの提案、お洒落な清潔感がある。
PRIMAVERA(ドイツ)
http://www.primavera-japan.jp/
欧州では補完医療として自然療法が肯定的に用いられているという。
その中のひとつ、フィトテラピー(植物療法)を体系づけたヒルデガルト(※2)の国。ドイツ。
発祥の国と言って良いのかも知れない。
アロマセラピー(芳香療法)はフィトテラピーの一環でもある。
雰囲気は高級志向ではなく、素朴さ、身近さを感じる。
気取らないデザイン、庶民的なパッケージのハーブティーや蜂蜜などが販売されている。生活観がある。
同時に、お店のロゴとアロマオイルのパッケージに描かれている女性像――春の女神――は伝統を重んじるドイツの硬派さを感じさせた。
生活の木(日本)
日本にアロマを広めた先駆的存在。
その前身は陶器屋だった。
アロマに関心を持ち、手掛けるようになったという。
日本でハーブは、欧米の補完医療としてではなく主婦の趣味、手工芸の一環として広まった。
そのため、お店には石鹸の型や化粧水を作る講座など、“手作り”のためのものが併せて扱っていた。
明治神宮――鎮守の森
表参道から明治通りを越え、いよいよ明治神宮へ――
鳥居を潜り参道の玉砂利の音を聞きながら進んでゆく。
木々に都会の喧騒はかき消され、次第に心が静まってゆく。
ウッディー系のアロマを聞かせて頂いていたので、木々の香りに敏感になっているのかも知れない。
一定の木の近くを通ると、清涼感のある香りを感じた。
木が自己主張しているのだろうか……
嗅覚も研ぎ澄まされていくが、音にも敏感になる。
鴉の鳴き声、玉砂利の音――
ラテンアメリカ文学のボルヘスが来日した際、明治神宮を訪れている。
既に視力を失っていたボルヘスは、参道を歩く玉砂利の音を詩的に表現していた。その文章を読んで感嘆したことを思い出した。
80歳のボルヘスを内田美恵とともに明治神宮に案内したときのことである。ほとんど失明状態だったボルヘスは、広く続く玉砂利を踏む人々の乱れた足音に耳を傾けながら歩みつつ、その音をいくつもの比喩の言葉に変えていた。
日本の神社というものの「構造」だか「みかけ」だかを想像していたのだろうか、「これを記憶するにはどうすればいいか」というようなことを、ぶつぶつと呟いていた!
これは耳を疑った。いや、こみあげるほど嬉しくなったといったほうがいい。ボルヘスはどこにいても一人などではありっこなかったのだ。そのときボルヘスは、どうしてもぼくがその言葉の断片を憶えられないような言葉ばかりを選んでいたようにおもう。「カイヤームの階段かな、うん、紫陽花の額にバラバラにあたる雨粒だ」、「オリゲネスの16ページ、それから、そう、鏡に映った文字がね」、「日本の神は片腕なのか、落丁している音楽みたいにね」、「邯鄲、簡単、感嘆、肝胆相照らす、ふっふふ‥」。まあ、こんな調子だった。松岡正剛 552夜『伝奇集』ホルヘ・ルイス・ボルヘス|松岡正剛の千夜千冊
http://1000ya.isis.ne.jp/0552.html
今年の10月に竣工されたばかりの第三鳥居のそばを通ると、ほのかにヒノキの香りを感じた。
不敬ながら、私はかつて明治神宮を「他の社と異なり、神ではなく100年ほど前の皇室(人間)を祀る事に意味があるのだろうか?」と思っていた。
しかし、NHKで特番が組まれ(※3)、それを拝見して考えを改めた。
今年の頭には、ナショナルジオグラフィック日本版でも特集が組まれて改めてその魅力を再認識した。
それらを見て、人工の森には国家百年の計が込められていたこと、更には人が自然を再生させる布石を敷くことができる試みでもあったことに、先人への畏敬の念がようやく生まれた。
冨田氏から「唯一、人がすることは参道の落ち葉を集めて、森のなかに戻すこと。」と教えて頂いた。
落葉は土へ還り、その腐葉土が鎮守の森の生態系、生命の循環の礎となる。
それが今、多様な生物の命を支えていた。
その調和のとれた世界観は、この「夫婦楠」にも象徴されるのかもしれない。
遠目から見ると一本の巨木かのように、互いにバランスよく繁っていた。
帰り際にTABICAスタッフの方から、亀石を教えていただく。
清正井とは異なるパワースポットなのだそう。
ピクニックや日光浴を楽しむ人々の中、北池の側にそれはあった。
立ち入り禁止とか、そういうものではないので、子供達が元気によじ登っていた。
何もない原っぱの真ん中で象徴的なそれは、子供なら確かに登ってみたくなる(笑)
あるいは、パワーに惹かれるのだろうか?
伊勢神宮と明治神宮
「亀石」という名称に、気になる事が出来た。
「亀石」と呼ばれるものが、伊勢神宮外宮にもあるという。
明治神宮の亀石は、伊勢神宮のそれに準えて存在するのだろうか?と考えた。
しかし、関連しそうな文章には出会えなかった。
形状も全く異なるし……
そう考えてしまうのは、以前読んだ本・伊藤三巳華『ぶらりパワスポ霊感旅』で、三巳華氏らが明治神宮と伊勢神宮に関係があるように思えると考察していたためだ。
1巻で明治神宮を訪れた三巳華氏がその後3巻で伊勢神宮を訪れた際、霊感を通して(霊視)、赤い鍵穴のような形のものなど“似たもの”を見る。
伊勢神宮を神社の総本山にしたのは、明治期、明治天皇の折からだという。
それらを踏まえて、三巳華氏らは伊勢神宮と明治神宮には関連があるのではないか、と考えていた。
因みに、三巳華氏は霊視にて伊勢神宮の玉砂利は生きている人間と死者を区別するためにあるという事を、伊勢神宮・外宮を守る存在から教わる。
明治神宮の玉砂利も然りではなかろうか。
何故、明治神宮の亀石がパワースポットなのか、私がネットをちょっと見ただけではよくわからなかった……
北池の側にあるので、風水に乗っ取っているのではないか?(そのためパワーが宿るということなのか?)という指摘がある。
ちょっと調べると伊勢神宮の亀石は、横穴式古墳「高倉山古墳(天岩戸古墳)」の入口にあった岩とあった。
なぜその石の上を歩くようになったのだろうか?単なる利便性?何か、別の見立てがあるのだろうか?
外部から持ち込まれたにせよ、元々あったにせよ、何か意図がある石なのではないか?(「パワースポット」と言われたから、私が先入観を持っているだけかも知れないが……)
明治神宮は“人工の森”だが、人の手が加わらずとも命の循環が成り立つように造られた。
100年の時を経て、それは確かに人の手を離れている。
対して伊勢神宮は原生林に囲まれ、人が自然と共存する――人が自然に合わせる――本来の“生き方”を維持している。
映画『うみやまあいだ』で、その様子が丁寧に映されていた。
成り立ちこそ異なれど、自然によって守られている。それこそ、原生林に……
これが本来の社のあり方なのかも知れない。
そのため、必然的に“似てくる”のだろうか?
……素人すぎて、分からないことだらけになってしまった。
何かの折に、調べてみたい。
アロマに癒しを、森林に気力を頂き、植物をはじめとする自然の力を実感した。
そして信仰心に襟を正し、ちょっとしたミステリーを考えたり……充実した時間を過ごした。
- aromatherapy and essential oils with Pranarôm
http://www.pranarom.com/プラナロム エッセンシャルオイル|健草医学舎 – プラナロム社ケモタイプ精油 日本輸入代理店
http://www.pranarom.co.jp/ - ヒルデガルトってどんな人? | ギフトでお勧めのオーガニックハーブティー ゾネントア/SONNENTOR
http://www.omochabako.co.jp/sonnentor/sonnentor_world/hirdegard - 「完全版 明治神宮 不思議の森」|NHK 自然 Nature
http://www.nhk.or.jp/nature/feature/meijijingu/