映画『タイタンの逆襲』感想

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公式サイト:
http://wwws.warnerbros.co.jp/clashofthetitans2/index.html

前作『タイタンの戦い』の続編という。
【過去日記】映画『タイタンの戦い』感想
最早、特撮映画の巨匠・ハリー・ハウゼンのものとは何の関係もない。
前作のリメイクの方がまだ良かったと思う。全然、神話らしくなかった。
神話になぞられた描写はあれど。

アレスの見境の無い憎悪と闘争心、旧作『タイタンの戦い』で機械仕掛けの黄金の梟を作ったヘパイストスや迷宮のミノタウルスなど、細かい設定はしっかりしているにも関わらず…

最も、私には「主題に全力で釣られる」というのが鑑賞の目的だった。
だが『世界侵略:ロサンゼルス決戦』のジョナサン・リーベスマン監督だったので、戦闘描写がリアルであろうと期待していたので、残念だ。
【過去日記】映画『世界侵略:ロサンゼルス決戦』感想

映画『タイタンの逆襲』

日本宣伝文句が「この闘い、怒迫力」とあった通り、スケールというかサイズが大きいので、カメラのアングルが遠く、必然的に人間が小さくなってしまう。
そのためアルゴス軍の兵士個々人が戦っている部分が見えにくい。
クリーチャーばかりにカメラがフォーカスされ、吹き飛ばされる人間も殆どCGなので、リアルな俳優が演じている感覚に乏しかった。
現実感が無いのだ。
まるでゲーム『Dante’s Inferno』の画面を見ているようだった……

映像は凄い。
特に溶岩の描写が美しく、リアリティがある。
クリーチャーは独自路線で表現されているが、私の好みではなかった。キメラが口からは火炎を吐くものの、定番の獅子、山羊、毒蛇の頭がらしくなかった(面影はある)。
迷宮の場面ではミノタウルスまで現れたが、これも雄牛の頭をしていなかった。雄牛の角のようなものはあったが。
ただ、迷宮で迷い不安になるとミノタウルスが現れ、これを斃すと迷宮の道が開かれるのは神話的かもしれない。あっけなかったが。

この映画は非常に男性的なもので成り立っている映画だった。
女性的な部分が一切排除され、父、息子、兄弟で成り立っている。
だが、ペルセウス役のサム・ワーシントン、父親という感じがしない。
女性は登場するのだが、神話ではあり得ない武装したアンドロメダ女王は“男性”的な役割をこなしている。
もう一人のお付きの女戦士は「忠告を無視し、死ぬ」道化の役割だった。
最近のアメリカ映画では“父と息子”の関係を巡る映画が多く公開されていることも一因だろうか?

男性社会にあっても女性故にできる事が見当たらず、感情移入する足がかりが無かったのかも知れない。

とりあえず映画『アバター』の主役でもあったサム。前作『タイタンの戦い』では髪を短い状態だったので時代錯誤の海兵隊のようだった。
そんな彼が巻き毛にしているようなので、どうなったのか見たいという目的もあったのだが、似合っていなかった(笑)

『インモータルズ―神々の戦い―』の方が神話でないのに神話らしい。
映画『インモータルズ―神々の戦い―』感想

神話と美術の話を。
今度、ラファエル前派の画家エドワード・バーン=ジョーンズによる《ペルセウス》が見れる。
2012/6/23から三菱一号館美術館で『バーン=ジョーンズ展  ― 装飾と象徴 ―』が開催され、その中の目玉の作品としてやってくる。
http://mimt.jp/bj/
ペルセウスとアンドロメダの物語。
『タイタンの戦い』の元である英雄譚と官能のある世界を堪能したい。

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