2011/1/21町田忍トークショー『ペコちゃんファッション』
『ファンタスティックアイドル、ペコちゃんファッション』町田忍写真展に関連した、町田忍氏のトークショーに参加出来た。
2011/1/8
『ファンタスティックアイドル、ペコちゃんファッション』町田忍写真展
このイベントは『日本ユーゴ・アートプロジェクト』の一環として行われる。
http://www.gendaiheights.fc2.com/japanyugo/npoin.html
私が疑問を持ったのは、果たしてペコちゃんが海外に日本文化として紹介出来る、どんな要素を持っているのか?という事だった。
そして先日この写真展を拝見し、ペコちゃんにどんな魅力があるのか知りたいと思った。
1.ペコちゃんについて
ペコちゃんのキャラクターとしてのプロフィールは下記。
昭和25年初代ペコちゃんが生まれる。
それは張りぼてで、日劇の人が制作したものだった。ミルキーのキャラクターとして生まれるが、後に不二家全体の看板キャラクターとなる。
昭和35年にはポコちゃんが、ペコちゃんの彼氏として誕生するも、ペコちゃん自身にボーイッシュな要素があるためか目立たず、現在に至る。
ペコちゃんの衣装について
衣装はお正月、七五三に替える。それらは店舗毎にデザインが微妙に異なる。
以前は毎年衣装を新調していたが、最近は経費削減で数年毎に着回している。
2007年のクリスマスには白い衣装。折しも不二家偽装事件があり、反省とこれからは潔白であろうという意思表示を込めて真っ白にしたそう。
これら衣装はオンワード樫山が制作している。
数寄屋橋店限定の服もある。
参考:『町田忍 写真展』会場風景
http://www.gendaiheights.fc2.com/110106.html
2.その他の路上ポップドール
かえる(通称・ケロちゃん)、サトちゃんなど。
これらポップドールは薬局に多い。
それは薬局に来る人は子連れの主婦層が多く、子供がポップドールに気を取られ遊んでいる間にお母さん達がゆっくり買い物が出来る、という発想から。
看板としてだけでなく、プレイルームのような役割を担っていた事に驚いた。
マスコットキャラクターではないが、ケンタッキーのカーネル・サンダース人形もポップドールに含まれる。
そもそもカーネル・サンダース人形を店先に置くのはこの日本で誕生した。
ポップドールそれぞれのエピソードはどれも面白い。
個別のプロフィールや解説は町田忍氏の下記著書に紹介。
下記がいよいよ本題。
3.ポップドールのルーツ
店頭に置かれる縁起物がその一つ。
福助や招き猫(豪徳寺とは違うルーツがあると町田先生は指摘)など。
これらの縁起物は必ず身体の部位の何処かが誇張されている。
これは何を表すのか?
それは男性性器と女性性器である。
ひょっとこ(突出した口)やおかめ(ふくよかな頬と中央のおちょぼ口)の対と暗示。
天狗の高く長い鼻も男性シンボルの誇張であるとの事。
それらが縁起物となる理由は言わずもがな、「子孫繁栄」と「商売繁盛」が多産豊穣を介して結び付いているためだ。
では何故、店先の路上にポップドールがあるのか?
江戸時代、店の前にあった石で出来た男性シンボルの存在を指摘。
それが縁起物の性器の暗示と結びつく。
そして店先にあったそれらが無くなった代わりに置かれたというものだった。
店の前にあった石で出来た男性シンボルを、会場で写真で見せてもらった。
大人の胸くらいの高さだろうか。結構大きい。
場所は何処か聞き取れなかったが、古い建物で看板には「いろはにほへと」とあった。
日刊サイゾーにその写真と関連記事があったので、リンク。
『福助もダルマも天狗もルーツは男根!? 身の回りに隠れた性器崇拝』
http://www.cyzo.com/2010/08/post_5272.html
ポップドールは性器信仰の変化系だった。
ポップドールのルーツが男性シンボルなら、ペコちゃんがボーイッシュであることに何ら違和感が無いように思えた。
トークショーでは昨今のオタクカルチャー、フィギュアやキャラクター萌えとは異なる視点からの切り口だったので、斬新であった。
なるほど、これは確かに日本の文化の一端であった。
文化交流に用いて良いように思われる。
ポップドールが路上に存在する理由。
そこには今も変わらず商売繁盛が、更には古代からある多産豊穣の願いが受け継がれていた。