是蘭 水の地図

白黒イラスト素材【シルエットAC】
JUGEMテーマ:コラージュ

是蘭 水の地図
銀座・Gallery Art Point bis( http://art-point.jp/ )にて。

北川健次先生に師事した是蘭さんの個展に久しぶりに伺った。
会期終了間際だったので、要するに終わってしまったのだが……
やっぱりしたためておきたい。

小さな会場だったが、そこに飾られている作品は、どれもクオリティが高いものに感じられた。

下記、気になった作品についての感想。


(おとの)う月》

達筆な書を反転させたと思しきものが印字されている。
解読できないけれど読めそうな気がして、注視してしまう。
和風モダンなインテリアのようなシックさに引かれた。

《月下》

目から引かれた赤い線は事件性があり、切り傷のようでもある。それはダリの映画《アンダルシアの犬》を連想させもした。
縦横に交差する線は、どうしても十字架――宗教的・精神的なシンボリズム――のイメージを強くする。

《異なる夜へ》

最初、画面近くから見ていたため、気づかなかった。
筆跡が残る、立方体のパターン。モノトーンの中に赤・黄・青が不規則に差し色として入っている……
それは遠目から見ると顔だった。

《鏡面より》

DMになっている作品。こちらも《月下》に似た事件性を感じさせる。
両方とも、垣間見える人物の顔はトリミングの影響で、男とも女ともつかない中世的な魅力を醸している。

《Sweet test》

体側に沿って下に下がった中世~近代の衣装をまとった女性の手。
それだけなのに、それだけであるが故に、事件性を臭わせる。つまり、その手の内には‶何か”が隠されているのではないかと……
刃物や、もしかしたら毒瓶を忍ばせているかもしれないと。
赤い色が余計にそうした連想を助長している。
赤い色で描かれた、反転した「2」「7」という数字。意味はないかも知れない。だからこそ余計に暗示的な作品だった。


以前伺った展示会での作品は、実験的なコラージュ作品が多かったように思う。
今回はそれが洗練され、是蘭さんの独自性を感じた。(羨ましい…)

是蘭氏Website:
http://www.zelan.jp/

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