北川健次展『密室論―ブレンタ運河沿いの鳥籠の見える部屋で』
JUGEMテーマ:コラージュ
日本橋・髙島屋6F 美術画廊Xにて。
~2012/11/19まで。
こちらでの個展は4回目になるそう。
コラージュ教室を止められて、創作に専念された先生の作品は更に力が入っているように見受けられた。
髙島屋美術部の寄稿にもあるように、‘虚像と実像の狭間を「引用」という方法論により紡ぎだされる特異な世界観は、「視覚化された詩」ともいうべき深い詩情性をたたえ’ている。
個展のタイトルも相まって、密室→鳥籠と鳥→蝶と標本→箱→蒐集という変容、流れがあるように思えた。
だが、それは意図的に込められたものではなく、後から仕組まれたもののようだ。
今回は気になる作品が多かった。
特に《ヴェネチアの春雷》と題されたシリーズ。
自然現象というモティーフ、落雷という亀裂を想起させるものは、そのまま衝撃として私に伝わった。
私の自然現象への反応はやはり、去年の震災の影響か?
機械、幾何学的なモティーフにした作品には手のイメージが強く、人工物との関係は“作為的暗示”と私には写る。
『機械仕掛けの神』
『神の見えざる手』
『未来のイヴ』
そんな言葉がすぐに浮かぶ。
もう一つ気になった、手への性癖(個人のパーソナリティに根ざし、生活スタイルを方向づけるような行動傾向)。
《モナ・リザ》も例外ではないだろう。
そういえば、少し前までやっていた『ジョジョ展』の『ジョジョの奇妙な冒険』Part4『ダイヤモンドは砕けない』に出てくる吉良吉影も手フェチだったか…
手の魅力、魔力の暗示を垣間見た。
コラージュは引用だが、“手”を動かさなければ作れない。
北川健次先生オフィシャルサイト
http://kenjikitagawa.jp/