『タイタンの戦い』旧作とリメイク――映像化された神話
いよいよ公開される映画『タイタンの戦い』
日本語公式サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/clashofthetitans/
少し粗筋を読んだところ、ストーリーが変わっているという、衝撃的な事実に気付く。
“Titan"なので、ティターン、ティタン神族の戦いの物語かそれをベースにしたものになったかとも思ったが――それも違った。
参考:『大神ゼウスとティターン戦争』
http://www5f.biglobe.ne.jp/~mind/vision/es003/greek_myth002.html
旧作の、当時における映像技術の斬新さについては先日の日記に少しだけ触れた。
【過去日記】映画『タイタンの戦い』リメイク
もうひとつその魅力を挙げるなら、“ギリシア神話をほぼ忠実に再現した”点である。
それが覆されると思うと、何だか寂しくなる。
ギリシア神話において、ペルセウスは神々の加護を受け、メドゥーサの首をとりに行く。その帰路で海獣クラーケンの生け贄にされようとしているアンドロメダを見初め、彼女を救うためにクラーケンを斃す。
映画では冒険の動機が若干前後するが、それでもよく出来ていたと思う。
気になるのはリメイクが“神々と人間の闘争”という筋書きである事。
神々の加護を受けた英雄が、今、何故神々に挑む者として描写されるに至るのか――
神々に挑む、という点で真っ先に思い出されたのは、英雄ヘラクレスである。
直接反旗を翻す訳では無いが。
女神ヘラに疎まれ、12の試練を与えられた。
ギリシア神話において、神に挑む者は必ず破滅する。アラクネは蜘蛛になったが、パエトンは雷に射たれ、イカロスは失墜した。
確かにアンドロメダを救っている時点で、女神ティティスの反感を買いそうなものだが…仲裁が入り、一命を取り留めた者は神の加護があったとして赦されるのではなかろうか?
ギリシア神話において、人の世からの神々の不在は明確では無いように記憶しているが、確か去っていったような気がする。
北欧神話、アーサー王物語のように。
リメイク版の神々は、闘争の末、人に追い出されるのだろうか?クロノスやティタン神族のように。
ペルセウスはその布石の役割を担うのだろうか?
どの様なストーリー、解釈を見出だせるのか。
今はそれも楽しみである。
そういえばこのリメイク映画、『聖闘士星矢』の影響を受けているとか。
そのため、宣伝企画として原作者・車田正美のコラボレーションポスターが貼られていた。
旧国鉄駅構内にて4種類掲示されている。
ペガサスに跨るペルセウス。
人が多いので、上手に撮れない…盗難防止か、高い位置にあった…