―香水夜話― 山下陽子展
今日まで…だった。
恵比寿・LIBRAIRIE6/シス書店にて。
http://www.librairie6.com/
書店に入って左側の壁には『オペラアイテール』シリーズの版画の展示。
オペラ座、舞台の華やかさと、そこに立つ女優の変身願望の喜びようなものを感じた。
モノクロのコラージュ版画のアンティークな雰囲気は、『オペラ座の怪人』と相まって耽美だ。
今回の新作は“香水”その瓶がテーマだった。
香りの、世界が詰まった瓶。小さいながらも奥深い。
コラージュ版画とオブジェ作品。
オブジェの小箱は全て手作りだそうだ。さらに紙は古いドイツの紙の見本帳から製作されていらっしゃるそう。
経過した時間を感じさせる紙がとても綺麗だった。
《Melpomene/メルポメネ(悲劇)》
香水瓶の形に切られた小さな世界には、手が装飾のある鏡を吊り下げている。
その鏡を覗き込むと、自身の眼が写り込む。その下にある雫で、まるで泣いているように見える仕立てだった。
香水瓶にある涙は人にカタルシスを与えてくれる。そんな気がした。