映画『THE ROCK』感想

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 何故か
リアルタイムで日記が書けない。

何故だ。

日曜日に民放で放送された映画『THE ROCK』を見ていました。
好き映画のひとつなので、感想。

この映画監督の作品は――私には好きになれないものが多い。
だが、この作品は楽しめる。
娯楽映画としても。

ストーリーは以下参照(他力本願。申し訳ない)
http://www.simpson-bruckheimer.com/rock/rockstory.htm

ショーン・コネリー氏が格好良い。
元『007』ジェームス・ボンド(MI6 軍情報部第6課/SIS イギリス情報局秘密情報部)役だった彼が、“アルカトラズに収監されていた元・SAS(英国空挺部隊諜報部員)”役とは、その点で既にユーモアが(笑)
ロマンスグレーの髪が渋い。そういえばこの頃からか、コネリー氏が俳優業に復活したのは。貫禄があります。

私がこの映画で好きな所は、引用。

独房から出されたメイソン(ショーン・コネリー)が恩赦の書状にサインするシーンで、それが欺瞞である事を悟り、ぽつりと呟く。

Timeo Danaos et dona ferentes.
(贈り物を持ってきたギリシア人には注意しろ)

これは象徴的な台詞だと思いました。
“ギリシア人の贈り物”とは“トロイの木馬”のこと。まさに欺瞞。

そして脱出不可能といわれたアルカトラズ島の刑務所(通称“ザ・ロック”)はまさに難攻不落の要塞。ここだけでトロイを髣髴させます。
自身が難攻不落のトロイの城壁を崩す“きっかけ”となった木馬となる事への暗示のようです。

そして敵役のフランシス・X・ハメル准将(エド・ハリス)とメイソン(ショーン・コネリー)が対面して、それぞれの心の内にある“国家”と“正義”についての語らい。

ハメル准将
「自由の木は圧政者と愛国者の血を吸って育つ。

――トーマス・ジェファーソン」

The tree of liberty must be refreshed from time to time with the blood of patriots and tyrants.

Thomas Jefferson

メイソン
「愛国心とは悪党の美徳である。

――オスカー・ワイルド」

Patriotism is the virtue of the vicious.

Oscar Wilde

緊張感の在るシーンで、ちゃんとそれぞれの出身国の文人の引用と言うところがユーモラス。

この映画のここが好きです。

この映画は96年作。
VXガスやベトナム戦争の帰還兵問題といった、アメリカのトラウマのような面が示唆されている。

スパイや工作員が暗躍・活躍した時代は表向き終わりを告げた。
戦場という場所で兵士同士が戦うのではなく、日常生活を送る場所で一般市民を巻き込む“大量破壊兵器”が睨みあっている。

冷戦の終結と、和平への展望を持ちつつも、内戦の勃発や、外交の切り札としての大量破壊兵器保有とそれに対する警戒と不信から、それへ“対抗策”として新たな兵器が開発される。
何より、結局は戦争を回避する事が出来ない。完全平和があり得ない現実。

そういうものが、ひしひしと伝わってきた。

思えば30年以上前の――元を辿れば前世紀の大戦の爪痕を私達は引きずったままで、何の解決も出来ていない。出来ない。
そしてそのまま今世紀に入り、それは“テロとの戦い”からイラク戦争に至る。

これが人類の性とは言いたくないものです。
回避出来るものは回避出来れば良い。それが誉。

以下、Web拍手レス。


2月13日 15時
2月15日 10時
2月16日 22時
web拍手、有難うございます!!
以下、返信。(反転、お願い致します)
ERISさま
四コママンガ…(笑)エセ・ジェイソンではありますが…(苦笑)楽しんで頂ければ幸いです。
これを描くにあたり、ジェイソン・マスクが奥深いものだと知りました。矢張り、シリーズを通して、若干デザインが異なるようです。
これを機に、『13日の金曜日』をビビリながら見ようと思いまし…た……
Top絵コメント、有難うございますvこんな恋愛してみたいなぁ…と(照)
良い印象を持たれたようで、こちらも嬉しく思います。有難うございます。何だかこちらも気持ちが昇華されました。
マーメイドは奥深いです。アンデルセン童話もそうですが、日本の人魚も…八尾比丘尼伝説にもいきますが…そこにある悲恋の物語は、読んでいてカタルシスを得るものも。
モティーフとしても良いですよね。人魚。描いていて飽きません。
またERISさまの所にも伺いたいと思います。こちらこそ、いつも楽しみにしております。

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