山本タカト展 -キマイラの墓標-
JUGEMテーマ:個展
祝・画集発売記念個展。
新宿・紀伊國屋画廊にて。2010/10/19まで。
“<平成耽美主義>を超え、山本幻想絵画のあらたな境地に挑んだ最新作品群”
その言葉通り、今までのタカト氏の作品とは異なる印象を受けた。
髑髏・内臓・官能――エロスとタナトスの主題はそのままに、まとまった図像・文様のようになっていた。
洗練されたようにも思えた。
以前はエロティックな人物像に寄り添うような死の影を感じたが、解体され、文様のようになった肉や骨、花に包まれた首や少ない構成要素でまとめられていた。
気になった作品感想。
《INNOCENCE》
シンメトリックな構造に瞳を閉ざした少女の像。
それを包むように広がる白い文様は骨のようだった。
そのため眠るようにも、死んでいるようにも見える。
死者は生きて罪を犯せない。故に無垢なのか。
《STRIGOICAⅡ》
赤い髪の少女の首。赤い髪と紫の文様の地が見る人に強烈な印象を残すようだった。
《聖女の惑い》
一番気になった作品。
青い十字のステンドグラスの前に横たわる裸の少女とシスター服の少女。
裸の少女の横たわった姿は、どこか思春期の性の目覚めを感じさせる。
シスター服の少女は胸に手を当て、心の葛藤を抑えているような、表現しているように思えた。
その静かな緊張感が、心地好く響いているように感じた。
今日はご本人がいらっしゃった…気後れしてしまって。
山本タカト氏サイト
http://www.yamamototakato.com/