『直線上のEva の柔らかな右腕のために』伴田良輔×北川健二
北川健二先生が参加されている展示会へ行く。
森岡書店にて。
http://www.moriokashoten.com/
1月30日まで。
美術家・作家にして写真家としても知られる伴田良輔と北川健次。本展ではこの二人の異才がエロティシズムを主題にして、平面と立体による美の競演を展開いたします。曲線と曲線のあわいに潜む神学的エロスを凝視する伴田良輔の眼差し。硬質な直線性を帯びた北川健次の唯美なまでのイメージの詩学。その彼らの作品に今まで秘められていた官能の危うい気配が、本展では闇に差す光のように全開を呈します。コラボレーションという相乗によって、森岡書店全体が禁断の強度な現場へと変貌する様を、ぜひ御覧ください。
(森岡書店HPより引用)
会場も印象的であった。
昭和2年に建てられたというビルヂングは趣がある。先生曰く『探偵社の事務所に向いている』との事。確かに。
そのヴィンテージの雰囲気とアンティークを利用したコラージュオブジェや欧州、その古典芸術を舞台とした作品群によく合っていた。
レモンバーム系の香りがする。
以下、気になったもの。
北川健二先生
《マヌカンの小さな肖像》
どうしようもなく惹かれた作品。
古ぼけた布地のトルソに添えられた生身の手、腕。
それはまるで手がトルソのものではないかと錯覚してしまう。
無機物のはずが有機物に見える。
異質なものが一体となっているそれはコラージュのようであった。
《Hotel Chaprin》
硝子扉の横文字の後ろにぽっちゃりとした天使像が写り込む。
それだけのはずが、天使と文字が一体となっているように見え、それがかえって神秘的だった。
《幾何学の夜に》
この写真は以前教室でも拝見した。
裸婦像に大型三角定規が添えられている。裸婦の曲線と三角定規の直線の対比。椅子にうつ伏せするように屈む姿が憂いげで、それに惹かれるのだろうか。
http://www.kenji-kitagawa.com/index.html
伴田良輔氏の写真は女性の乳房を撮ったもの。添えられた手はエロティシズムを助長させる。
顔が映っていないが、女性の乳房の形の微妙な形の差が個性を出していた。
乳房への憧れだろうか?口唇期を思い出させる。
コラージュオブジェの作品もあった。
女性的なるものが集約されたもののようだった。
先生の、気になったコラージュを購入。
初めて現代アートに貢献した気がする。今まではアンティークの版画や写真だったので。
先生の作品・記事が掲載された版画芸術も手元に入った。
これにも先生の版画が付いていた。
これも好みの作品だった。
何だか充実していた。