Paul DELVAUX – Le Pays des Miroirs –
JUGEMテーマ:個展
ポール・テルヴォー『鏡の国』
神保町・ギャラリーかわまつにて。
http://www.gallery-kawamatsu.com/
今日までだったのだが…
画家デルヴォーと著者クロード・スパークの衝突により、挿画が頓挫した『鏡の国』の版画展。
『鏡の国』のための連作《最後の麗しき日々》を再び見ることが出来るので、行った。
昨年の9月、Bunkamuraであった展覧会『ベルギー幻想美術館』にて展示されていたものである。Bunkamuraでは姫路美術館のコレクションの中から同題のものが展示されていた訳だが。
《最後の麗しき日々》
亡くなった最愛の妻を剥製にして側に置く医師の物語。
前の日記にも書いたか、デルヴォーの静的な、微動だにしない女性像はそのイメージを顕著にしていると思う。
死体でも女を愛し続ける男の物語――
“死が二人を別つまで――”婚礼の言葉を凌駕する究極の愛の形。
そして江戸川乱歩の『白昼夢』の冒頭や『盲獣』を思い出させた。
それがグロテスクではなく性的でもある。
その世界観に心が洗われる様な静けさがあった。
それら以外に《醜い男》《嵐》の挿絵、《ヴァナ女神への廃墟での神殿建設》も展示。
美術館で見た版画が、手が届きそうなところにある――そんなことを考えてもいた。
ギャラリーかわまつでは度々デルヴォーの展示会をしているとの事。
また展示してもらえるだろうか。楽しみ。