北川健次展 盗まれた記憶――Francesco Guardiの郷愁に沿って

白黒イラスト素材【シルエットAC】
JUGEMテーマ:コラージュ

北川健次展 盗まれた記憶――Francesco Guardiの郷愁に沿って
コロナ禍の間に、半年前の記事を絶賛消化中……

日本橋・高島屋 美術画廊X にて。

リアルタイムで書けなかったことも相まって、作品のタイトルを失念してしまったり……
個展全体の感想。

展示会のタイトルから()、都市の情景を中心にした奇想のイメージを想像していたが(以前の展覧会でそういう作品が多かったので)、また異なるイメージを受けた。
箱の中に閉じ込められ、圧迫されてゆく都市空間よりも、くるくると回転するイメージを得た。

ブリューゲル・父《バベルの塔》の前に置かれたアンティークの糸巻き。そのシルエットはバベルの塔に重なり――むしろ立体化したようなイメージ――、像を反復させるような効果があった。
バベルの都市空間を拡張するような、抑圧するような、相反する動き、エネルギーのイメージを見いだす。

別の作品では、踊り子を取り囲むようにガラス細工の細い繊維が弧を描く。
以前の作品で、ジニンスキーの写真を使ったものがあったが、その変化系のように思う。ジニンスキーを測り、解析するような作品だったが。

以前の展覧会で先生の作品群に“計測”のイメージを強く持っていた。
今回の展覧会を拝見して、円環と螺旋というキーワードが頭をよぎる。
円環は同じ個所に帰結する――はじめと終わりが常に同じ所にある――完結する閉じた形。そして螺旋という、同じ形の繰り返しのようで少しずつ変化する形。
アンティークのレンズや歯車、渦巻き型のバネと螺子……そうしたアイテムがこの2つの二次元と三次元の円形のイメージや動きを補強する。

北川健次先生公式サイト
http://kenjikitagawa.jp/

  1. Francesco Guardi (1712 – 1793) | National Gallery, London
    https://www.nationalgallery.org.uk/artists/francesco-guardi
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