北川健次展 目隠しされたロレンツォ・ロットが語る12の作り話
日本橋 髙島屋にて。
以前お世話になった先生の個展。…今日までだったのだが。
何だかまたしても会期ぎりぎりの鑑賞。
《鵲のためのエスプリ》
アンティークの南国の鳥?と折り紙の鳥のイラストという、2つの構成要素のみ。その形の反復に意味を見出そうとしてしまう。
《閉ざされた肖像<聖なる右手のある》
小さめの箱による、立体コラージュ作品。
タイトルの肖像を見出そうとしても、小さなその顔はボルトに隠れて見えない。三角定規の辺に沿うように配された手は祈りの手なのだろうか?――
そんな風に、タイトルとのギャップを感じ、惹きつけられてしまった。
《透視図法 あるいはへレネの馬》
石膏デッサンでも有名なセレネ(月の女神)の馬に施された線。何かを測るようなその具合。
《ニジンスキーの計測される肖像》
ニジンスキーの牧神の午後を使った作品。まるでニジンスキーの魅力を理性的に測ろうとするかのようだった。
《小さなマヌカン》
これは以前、私も購入した作品。
興味深かったのは、大きさと額装が異なる事。それだけで大分印象が変わった。
黒いシンプルな額装に入り、洗練さを感じさせもしたが、何だか違和感を覚えた。
私が購入した方は今回展示されたものよりも小さめで、ボックスタイプの額装たっだ。まるでクローゼットの中に押し込められた秘密を想像させたりもしたが、今回はそれを感じなかった。
会場の雰囲気もあるかもしれない。
絵画もそうだが、カンヴァスのサイズ、額装が作品にとっていかに大切かを実感した。
イタリアに行かれた時の写真も拝見。
《チェイルリーの青の彫像Ⅰ,Ⅱ》
青空に生える白い彫刻たち。
モノクロの作品が多い中で惹かれてしまうのは、この写真がイタリアの青い空、色を写し出してしまっているためだろうか?
そう思っていたが、その青は只の“青”ではなかったためのようだ。
その青は特注の青で、何度も現像をやり直したという話を伺った。
冬でも力強いイタリアの陽射しを思い出させる、強烈な青だった。
日本橋・髙島屋での展示は今日までだったのだが…
京都・ギャルリー宮脇でも個展をなさるとの事。
http://www.galerie-miyawaki.com/
2010/10/17まで。
会場でこの展示のための作品を拝見させて頂いた。
あれがどのような額装がされ、展示されるのか気になる所。
京都……
もし会期中行かれる方がいらっしゃったら、是非。
久しぶりに先生にお会いして、お元気そうで安心した。
開講曜日が変わり教室に伺えなくなってから、コラージュを作らなくなってしまった…
それはやはり、同じく制作する人と会わなくなり、刺激が受けられなくなってしまった、という事も原因のようだ。
今回、先生の個展で作品を拝見し、前回、是蘭さんの個展でも刺激を受けているのだが…なかなか形に出来ないのがもどかしい。