北川 健次展 私的立体 モンタージュの詩学/自作を語る

白黒イラスト素材【シルエットAC】
JUGEMテーマ:コラージュ

北川 健次展 私的立体 モンタージュの詩学

 備忘録も兼ねています…またしても。

日本橋高島屋 6階 美術画廊X
3/25~4/13まで

ギャラリートークといった感じでしょうか。
コラージュ制作でご指導頂いている、北川健次先生から自身の作品についてお話し頂いた。

北川健次先生のコラージュは“偶然”というものだと思われる。

先ず、コラージュを制作する際に心掛けていらっしゃる事をお話し頂いた。
“コラージュを創る”“オブジェを創る”という引きだしを用意しておく事。
そして材料をそのものとして認識するのでは無く、“何か”に見立てる事。
例えば黒い缶のペン入れは“棺”といった風に。
何気無いものが、意味を持つ。
時間の差や人が使った名残と自分が持つ物語。ふとしたズレが生じた時、コラージュが生まれる。

色々と作品についてお話し頂いたが、私が完全にメモを取れなかった事もあり、私が気になった作品についての覚書を…
そして私個人の感想も。

《シュピール あるいは物語を構成する三つの原器》
偶然、購入された木の箱に、パーツがぴったり収まったそうです。
中には様々なパーツが入っていますが、箱の中のマチエール(素材)を壊さぬように配する。

箱の中の物語――
それは写真の3人の思い出なのだろうか?それが‘原器’だろうか?
箱というものは、必ず何かが詰まっているイメージがある。アルファベットの凸版印字の文字?と手紙を連想させる切手。言葉に代えられた物語という印象がありました。

《三角形――triangleの中の三つの異なる筆跡・大》
古代ギリシア時代からある、三角形型の大工道具。黒く塗りつぶして、各三辺に三つの手紙の断片が印刷されている。
台紙となっている白地。余白を残す事も重要。

三角形。調和・安定している形に異なる筆跡。何か、連結した意図があるのかと想像してしまう。

《Bruges ―水の劇場Ⅱ》(立体)
《Bruges ―グラン・プラスの停止する記憶》(版画)
ブルージュのモティーフ。立体と版画。対になっている。

まさに対の作品。
ブルージュにある、建築物の写真に何かの設計図の線が描かれている。
建築設計図では無いよう。その異なるものでありながら、調和が取れているような、不思議。
ふと、思い出されるのはローデンバック『死都ブルージュ』
かつて貿易で発展しながらも、急速に衰退した都市。
衰退したまま浮上することなく、そのため政治や戦争の荒波にさらされることがなく、ゆえに昔の街並みがそのまま残った。
哀愁のイメージと、古い時代の情景。
この作品では、懐古主義のイメージが強いかと思いました。
…急速な発展と衰退(の兆候)。今の日本のようです。

《「CHARTRES―La Cathedrale」を夢見た男の話》
夢の中にぱっと出てきた。題名は自身(北川健次先生)の事。

箱のオブジェ。これが先生にとってのご自身か…。という、私的感想。

他、フランス・イタリアの写真など。
写真は田原圭一氏の写真を髣髴させた。
後で聴いた、以前合同で展示会をされていた?との話。でしたら納得。
モノクロの写真は、光を強く意識させる。
写真については、あまりメモ出来なかった…orz
個人的な感想のみ。

「写真はトリミングで印象が変わる」
「写真の不思議。本人の心象が現れる」
との事。

《ミケランジェロの光降る彫像―Musee du Louvre》
男性彫刻の腹部と手に、光が当たっている。それが、それだけの事が、こんなにも象徴的なものを生み出すのか。“本人の心象が現れる”とは、この事か。

全ては偶然――
しかし、それは必然なのかもしれない。
北川先生は、『意図せず創っているが、後になって関係があることを発見する事がある』という主旨の事をおっしゃっていた。
見出すのは、‘見る側’の問題なのだろう。

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