柴田景子仮面展「Pandora」

2009年11月6日

JUGEMテーマ：個展

終わってしまった展示会の感想…
時間が経つのが速すぎる…

銀座ヴァニラ画廊にて。
http://www.vanilla-gallery.com/

柴田氏の仮面のイメージは、エキゾチックでヴェネチアのカーニヴァルの仮面とは異なる“異界”の匂いがするもの、だった。
しかし会場に入った際に感じたのはヴェネチアのそれに近い、“仮装”のイメージだった。
柴田氏にそれを仄めかしたところ、
『ハロウィンだから』

そう、この日は10/31
ハロウィンだった。
皆が化ける日(違)

Pandora――パンドラ

壺と仮面に関連性を夢想してみる――
しかし、出てくるものは“隠蔽と暴露”という言葉だけだった。

仮面には1つ1つにギリシア神話に所縁ある名が付けられていた。

夜の蝶を連想させる黒い仮面には“ニュクス(夜)”、ベージュの地に繊細な黒レースが施されたものには“クロノス(時間)”といった具合に。

はたと思い出した事は古代ギリシアの円形劇場の風景。
当時のギリシアの演劇は仮面劇が主流で、仮面で役者は“神”となっていた。演目が神話的なものが殆どなので当然だであるし、宗教儀式の延長については割愛させて頂くが、そう考えると、此処に有るのはヴェネチアの仮装ではなく原初の神がかりに近くなる。

今此処に居るのは古代の神々。

そう思い至ると、異界の匂いが強くなった。
趣向が変わられたのかとも思ったが、一本筋が通っていらっしゃると思った。

最終日に伺ったのは、仮面講座を受けるため。
“カサノヴァ”という名の仮面をベースに色を塗る。
時間内で全てを成す事ができなかった。未完成。

持ち帰る際にベースが剥がれ落ちてしまったので、改めて塗り直し、ラインストーンを着けようと思う。
これについては完成後、掲載したい…