麗しのうつわ ―日本やきもの名品選―

白黒イラスト素材【シルエットAC】
JUGEMテーマ:美術鑑賞
麗しのうつわ ―日本やきもの名品選―

出光美術館にて。

工芸を美術品として意識して見る経験が少なかったので、良い機会だった。
以前、工芸を見たとき感じ得なかったものを、今、感じるものがあったと思う。
それは経験から起因するものだろうか。
最も、私は工芸の知識は乏しいのだが。

‘“豪華”と“侘び”といった対極の美を愛でる歴史には、日本文化のしなやかな寛容性が深々とあらわれてい’る作品群。

壷、皿、香炉――どれも自然の意匠を凝らした日用の美。

気になるものも多々あった。
道入(ノンコウ)の器に、何故だか惹かれるものがあった。

『黒楽茶碗 銘 此花』
黒い側面に、1ヶ所だけ模様がある。湾曲した、偶発的に生まれたような模様は、アクセントになっていて、不思議だった。

『赤楽茶碗 銘 酒呑童子』
黒い器と対を成すような赤い器。
その銘との関連に惹かれるものがあった。赤なので、連想が容易だったのかもしれない。
思い出すのは『酒呑童子絵巻』の赤、朱。
参考:http://www.ffortune.net/calen/setubun/syutendozi.htm

この赤は赤ら顔の色なのだろうが、食人や鬼退治など、グロテスクでありながら極彩色が美しい描写の絵巻。その朱が印象的だった。その赤をも思い出させる。
参考:酒呑童子絵巻
http://k-aiser.kokugakuin.ac.jp/digital/diglib/shuten/shuten_02.html

板谷波山の器はアールヌーヴォーの影響を受けている意匠と、葆光彩磁による淡く優しげな印象に惹かれた。

出光コレクションの、多種多様、良い品を見ることが出来た良い展覧会だった。

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