eros / thanatos ―生と死の幻想
どんな時でも、ふと、魅かれてしまう。
エロスとタナトス――
やはり普遍的な存在なのだろうと思う。
今回、震災の衝撃を絡める事は無い。
気になる作家・中嶋清八氏。
この方の作品が好きで、可能な限り観に行く。
下記URLに作品が掲載…
http://53435481.at.webry.info/201105/article_1.html
中嶋清八《Papilio infernus – 採集された地獄 –》
以前の展覧会で拝見した作品。
(その時は《ドイツ箱の中の地獄》というタイトルだった)
【過去日記】『幻想芸術展 2010』( 2010/5/12 )
シンメトリーの安定的な構図、魅惑的な蝶。
蝶の羽を構成する、女の“地獄”らしい。
それは人を死へと魅了する毒蝶なのかもしれない。
中嶋清八《Batocera infernus – 採集された地獄 –》
上記作の対と成る作品。
それは男性らしい甲虫(カミキリムシ)に配された、少年たち。
アンニュイな雰囲気を漂わせる。雄々しさとは無縁。
『中嶋清八氏ブログ』
http://53435481.at.webry.info/
マン・レイ《メレット・オッペンハイム》
官能的で惹かれるものがあった。
キャプションを見て納得。マン・レイの作品であった。
凛とした裸婦、メレットの姿はまるで人形のようで美しかった。
上記Bunkamuraのページで作品が掲載されている。
他、山本六三、宇野亜喜良、建石修二、レオノール・キャリントンなど著名な方々の作品を堪能した。
会場の壁の片隅に、この展覧会を表す素敵な言葉が示されていた。
私こそ、貴女を容れる柩とならう。愛せらるべき疫病よ。
貴女の力と有毒性との証人と私はならう。
天使達の調合した なつかしい毒薬よ。
私を腐食する液體よ。おお わが心の 生命と 死よCharles Baudelaire《LE FLACON》より)
“肉体は魂の棺”昔の人は上手い事を言ったが、エロスとタナトス、その甘美な毒を溜められるのは、画家の特権かも知れない。
それに蝕まれながら作品を創る。そんな事を考えていた。