cow parade TOKYO MARUNOUCHI2008
アートなウシが、丸の内ジャック!
http://www.cowparade-tokyo.com
見に行ってきました。
前回、2006年のものを見に行きそびれたので、今年こそは!!
実物大のカウ(牛)のオブジェに、アーティスト達がペイントを施し、街の中を行進するように展示されている、パブリック・アート。
何で牛かというと、絵を描けるキャンバスになる丁度良いサイズが牛だったから、という話しを聞いた事があります…
有楽町~大手町まで、ほぼカウを制覇して参りました。
牛、というキャンバスを利用するので、牛をイメージしたもの(食用の肉、牛乳、巨乳/笑)であったり、その大きさを意識したもの(キャンバスとして)であったり、その公共性から社会へのメッセージであったりと、主題も様々なので、楽しめました。
数が多いので、その中で気に入ったものを…
No.19 H+5《awake》
とても上品な絵です。
バラやレンガのモティーフから、園芸を想像します。
ビル内の広場なので、さしずめ“屋内庭園”という感じでしょうか。
周囲のお店が高級志向な印象を受けるので、その雰囲気にも合っていたと思います。
No.20 久保有美《Grows Discreetly(Cow Version 2008)》
女性アーティストらしい、上品なデザインで魅かれました。華やかなピンク色のユリのモティーフ。
No.22 李侖宰《愛・エレガンススター》
製作者は中学生だそうです。
力強さと女の子らしさを感じます。ピンクの地に赤いバラがおしゃれです。
同の部分に描かれた眼は、不気味でありながら、人を惹きつける、アクセントになっています。
まさにスター。
No.25 荒木経惟《色情牛》
一目見てすぐ分かる、アラーキー氏の作品。
彩度の高い色のペンキを流したようなその表現。汚しているようで、そうではない(そう見えない)。
色っぽい名前から、見ているこちらが艶っぽさを求めて、想像を膨らましてしまっているのでは…と思ってしまう。
これを見ただけでも私は満足でした(笑)
No.27 金子ナンペイ《ミルクタンク発進!》
矢張り牛と言えば“巨乳”でしょうか。
セクシーなおねいさんと、反対側には戦車が。
“美女と兵器”の組み合わせは、60年代アメリカのコミックモティーフにもよく表れていた様な。イメージですが。
カウの乳がショッキングピンク(蛍光ピンク)に染められていて、エロさを上げているように思えます。
No.30 笹沼修《命の価値観》
178円の値札が張られた牛。
搾り取られる牛乳。牛が命を養うために、命を懸けて絞り出す牛乳は、日本では小学生でも買える値段。
まだ命を養えるものを手頃に入手出来る事を嬉しく思うべきか…命の価値観はその程度かと冷笑的に見る事も出来る……
象徴的な一頭です。
No.32 中川翔子《牡牛座ギザ11次元》
意外でした。
しょこたんの絵は結構漫画っぽいと思っていたので。
でも、彼女は絵が本当に上手なので、好きですね。後にしっかり警備員さんが。他の作品には殆どついていないのに…(笑)牛の大きさを意識したものでしょうか。あ、彼女は牡牛座か…
壮大な宇宙観です。
No.46 大黒大悟《白二蕾ノ図》
日本らしいと思いました。
白地の牛に黒い花。“ワビ、サビ”の精神であったり、“余白の美”を感じます。
No.62(右写真) 後藤友香《ジョーイ》
極彩色で、ポップで、力のあるイラストレーションに惹かれました。
見ていると、元気になるようです。J-popが聴こえてきそうです。背中に書いてある“LOVE”の文字。
世界平和を願います。
あと、気になった事が。
それは、『パブリックアートを見る側の態度』
カウに跨っている(乗っている)人がいたのです…
下に、小さなプレートではありますが“壊れやすいので、作品にはお手を触れぬようお願いいたします”という旨の言葉が書いてあるのですが、記念撮影のために跨る、寄りかかる…
カウには小さなパーツをつけているものや、表現方法として絵具を盛り上げている者もあります。
もっと驚いたのは、親御さんが子供を跨らせているのです。
中には遊具と勘違いしている方もいらっしゃるようです。
というか、皆さん、プレート見ていないんですね……
屋外に展示するものなので、大半のアーティストの外気・日光に強いペンキ等を使っていらっしゃるとは思います。しかし、作品は遊具として作ったものではないので、“ふれあう”方法が違うのではないでしょうか……
破損したら、どうするつもりなのか。
他にも“鑑賞”している人が、ここにいるのに……
黒い牛だったのですが、子供の靴で汚れがついた…流石に見るに見かねて促したのですが、
『ああ、すいません』
といい、特に悪びれる様子も無く、子供に『乗っちゃダメだって』と言う。 →子供、降りない。
ようやく親は抱えてカウから子供を降ろす……
……|||orz
以前のカウパレードでは「丸の内のよっぱらいのサラリーマンが跨っていた」という話しを聞いた事があります。
カウの周りにロープか何かで囲わなくてはいけないのか。
パブリックアートの公共性は、多くの議論があります。その“ふれあい”の方法も。
中には直に触ること願うものもありますが、このカウは?
他者への思いやりでは成り立たないのでしょうか……