芸術の秋・ギャラリー巡り
芸術の秋なので、方々で気になる展覧会がある。
久しぶりのギャラリー巡り。
空模様・心模様 若林真耶展
日本橋大伝馬町・みうらじろうギャラリーにて。
http://jiromiuragallery.com/
~2013/11/10まで。
友人に誘われて。
女性の作家さんで鍛金をされていらっしゃる事に驚いた。
鍛金は力が必要だと思っていたので……
また、作品の写真を拝見し、舟越桂氏の作品に近いものを感じていた。素材は木かと…
しかしその暖かい印象は木のぬくもりではなかった。
光を反射し、輝くような人物像。
自然を擬人化したようなそれら。輪廻転生を意識させる作品もあった。
それらは雲をモティーフにしたものだった。
そこに『クラウド・アトラス』をふと、連想してしまう。
金属という重い物質で創られた雲。相反する質量のイメージ。
二次元から三次元へ。
金属の展延性を利用した技法で、板金を叩いて鍛える事でこれらの立体物が生まれる事に驚かされた。それは数学のように思える。
掘り出す彫刻とは違う発想。
極彩色、しかし柔らかなグラデーションで中間色を多用した作品はお洒落だった。女性的な優しさや見るものを安心させる。それが木のぬくもりのように思えたものの正体だと思う。
若林真耶様サイト:
http://www.atelier-vis-a-vis.com/mayasworks/
書庫と街/エリック・デマジエール
神保町・ギャラリーかわまつにて。
http://www.gallery-kawamatsu.com/
~2013/11/19まで。
気付けば今は読書週間だった。それによく合う展覧会。
蒐集、という言葉が相応しい作品群。
棚に並ぶ本や博物は緻密に描かれ、重厚感がある。
安定した構図を描くためのパースの跡も点線でわざと残してあった。
パースもその綿密さの一部なのだ。
消してしまえば認識されないそれがある事で、世界観(目に見えない知識や自然科学)が明確になり、奥行きが増していた。
書籍で漠然としか認識出来なかったヴィジョンが明確になる。
デマジエール氏の世界観はこのバベルの図書館によく合っている。
ボルヘスの知識の無限廻廊に思いを馳せる。
Site Érik Desmazières
http://erikdesmazieres.fr/Accueil/Accueil.html
……あ、北川先生の個展にも足を運んだのだけれど、別日記にしよう。