アンティークプリント展Ⅴ
先日、ボタニカルアートのアンティークプリント展を見に行ってきました。
コレクションを増やそうと思って。
勿論、時計草のものを。
これはドイツの植物図鑑のもの。"Buch der Welt"
画家は不明。サイン等が残されていない。
以前からこの版画は知っていましたが、あまりに強烈な色彩と、太い線に圧倒され、敬遠していました。
しかし、これが夢に出てきてしまったのです。
それも額装付きで…
額装は付けませんでしたが、購入…こういう運命だと思って。
ドイツらしいというか…
はっきりとした実線、原色。
直ぐにデューラーの版画を連想してしまう。
版画の良い所は、その手頃さでしょう。量産出来て、低価格。
オーナーの方が「複製画はどんなに頑張っても(時間が経っても)複製画でしか無いので、直ぐ手に入る」という主旨の事をおっしゃっていた。
複製画…
しかし、今の技術とは異なる…ともすれば、失われた技術であったら、それには価値が生まれるのであろうか?
最も、版画の“価値”は即ち“希少性”ですが。
現在の技術、デジタルアートはどの位残るだろうか?
時計草…
奇想の美。
言わずもがな、日本では西洋の時計が入って来た後に、この花が輸入されたため、この名前。花弁が時計の文字盤、雌しべが時計の長針・短針・秒針に見えるから、和名ではトケイソウ。
パッションフラワーの事。
私はこの呼び方も好きですね。キリスト受難の花。
宣教師がこの花を初めて見た時、巻きひげに鞭を、花に十字架と3本の釘と使徒の姿を、葉に穂先とキリストを売ったユダが手にした30枚の銀貨を見出したという。
そのセンスに乾杯。
この花が好き。思い入れがあるから。
アンティークプリントのコレクション、暫くはこの主題で収集しようと思います。
…欲しい版画、多いです。レオノール・フィニや山本六三氏のものも、欲しい。
いつか手元に置けたら良いな。