小村雪岱展/竹内栖鳳展

白黒イラスト素材【シルエットAC】
JUGEMテーマ:展覧会

友人達と展覧会めぐり…
久しぶりに2つもハシゴした。
私は本当に日本美術に疎く……拙い文章になってしまうのだが。

大正・昭和のグラフィックデザイン 小村雪岱展

ニューオータニ美術館にて。
http://www.newotani.co.jp/group/museum/
~2012/11/25まで。

大正イマジュリィの世界 デザインとイラストレーションのモダーンズ』でも装丁が展示されていた小村雪岱の展覧会。
泉鏡花の装丁は外見がモダンなパターンで、内側が浮世絵という、粋なデザインだった。

小村雪岱展《見立寒山拾得》

それら凸版印刷なので、その緻密さ、手間を考えると感嘆してしまう。

当時の蔵書家が裕福な一部の識者に限られていたため、少部数で職人が手の込んだものを作れたそうだ。

紙は変色し、茶色になってしまっているが、それが当時白かったことを考えると、実に上品な色味であった事を想像する。
白地に紺の縞模様、差し色に赤という。

今でも十分通用するデザインだと思った。

内側の浮世絵は、直線的な構成、建物の遠近感のあるものが美しかった。

それは舞台美術にも表れていた気がする。
手がけた舞台の横長の下絵は絵単体として見ても美しかった。
私はその横長の構図がオペラのそれと異なる事にも関心を持った。

竹内栖鳳 ――京都画壇の画家たち

恵比寿・山種美術館にて。
http://www.yamatane-museum.jp/
~2012/11/25まで。
日本画の中に、西洋美術の要素を取り入れながら描かれた写実的な動物たち。
詩的なタイトルも西洋美術の影響だろうか?

竹内栖鳳《斑猫》

竹内栖鳳《斑猫
会場入って直ぐに飾られた重要文化財。
「徽宗皇帝の猫がいる」と言って譲り受けた猫の絵は、魔力があるようだった。金泥の地に描かれた猫のポーズは独特で、その眼光は人を惹きつける。
猫の写真が横にパネル展示されていたが、写真からもその毛並みの良さが分かった。確かに画家に霊感を与える存在だったようだ。

竹内栖鳳《緑池》

竹内栖鳳《緑池
水面の青、銀色に薄く輝く地が水をよく表現していた。
今にも泳ぎだして、画面の外に行ってしまうのではないかと想像してしまう。

竹内栖鳳《絵になる最初》

竹内栖鳳《絵になる最初
この有名な絵。
モデルの着物を脱ぐ時の恥らった瞬間を描いたもの。首筋や腕、紺色の着物と白い肌の色の明暗が、より官能さを引き立てていると思った。
この絵にちなんで作られた着物「栖鳳絣」も展示。
モダンな柄がお洒落だった。

関連作品として竹内栖鳳の後任、上村松園、村上華岳らの作品が展示。
その中で一番気になったのは村上華岳《裸婦図

村上華岳《裸婦図》

仏画を思わせる描画。しかし顔には《モナ・リザ》にも通じる微笑とアングルがある。
艶めかしい雰囲気というより、宗教的なもの天女のような雰囲気が独特で、プラトニックなもの。

全体的に力の入った展覧会だった。

PVアクセスランキング にほんブログ村
大容量無料ファイル転送サービス【ACデータ】