是蘭 Zelan 個展 Mixed Media Works 「惑星 The Planet」
中目黒・Gallery 7℃にて。
http://gallery7c.nao-international.com/
~2011/9/10まで。
約1年ぶりのコラージュ作家・是蘭さまの個展。
デカルコマニーを用いた作品が中心だった。
黒い樹皮板にプラチナホワイトを用いたデカルコマニーが織り成す模様は緻密で有機的な雰囲気があった。
私は当初、顕微鏡写真を用いたコラージュ作品かと思った。
顕微鏡――
そう思ったのは円形のマット紙による額装が施されていたためだ。
電子顕微鏡の写真にはモノクロのものが多いため、連想されてしまうようだ。
円形の額装。四角いものとは異なり、中心に、視線が持っっていかれる。注視してしまう。
広がりを持つデカルコマニーの作品の中に惹き込んでしまう。
ラファエロ《聖母子と子供の洗礼者ヨハネ(小椅子の聖母)》と同じ効果だ。
参考:サルヴァスタイル美術館「ラファエロ・サンツィオ-小椅子の聖母-(画像・壁紙)」
http://www.salvastyle.com/menu_renaissance/raphael_seggiola.html
全体の印象として、今までの作品とは異なりモノクロのシックな作品が多く感じた。昨年の展覧会で、その兆候は見受けられたが。私には斬新だった。
コラージュ作品も展示。
《知恵の果実》
一番気になった作品。コローのユディトは短冊状に細分されたようだ。表情の部分が鏡に写ったように左右反転している。連続写真のように錯覚してしまう。
人物像の頭上に鉱物とアンティークのクッションが違和感なく配されている。
ラムダプリントという、デジタル化された画像データをレーザーで印画紙に焼き付けて現像出力する方式での素材だそう。レトロな雰囲気が調和をもたらしているようだった。
是蘭様ブログ『原初のキス』
http://zelan.exblog.jp/