幻想芸術展 2011

白黒イラスト素材【シルエットAC】
JUGEMテーマ:展覧会

また会期終了の展覧会の話。

幻想芸術展 2011

国際幻想芸術協会(International Fantastic Art Association)の展覧会を今年も観に行った。
http://ifaa.cc/

展覧会全体の印象として、以前に比べて、より洗練されたのではないかと思う。
一時期はゴスロリの系譜が多かった気もするが、思春期の少年少女の衝動的な死生感よりも熟成された思考のような幻想的な作品が多く目に留まった。

それとも、私の感覚が変化したのだろうか。

以下、気に入った作品感想。


田谷京子《粧ふ
浜辺に白い靴と手袋が立っている。白い手袋の指先には薔薇の花が一輪挟まっている。タイトルのかけているのだろうか、女性的な象徴物がコラージュのように上品に配されていた。『ヨコハマメリー』を思い出させた。

中嶋清八《聖多面体 Ⅰ ‐Tetrahedron-》《聖多面体 Ⅴ ‐Icosahedron‐
正四面体と二十面体の中に納まる、躍動感溢れる人物。それは両性具有(氏のサイトによればこれはヘルマフロディトス)である。
図形と人体、レオナルド《ウィトルウィウス的人体図》に代表される黄金比を想起させる。
安定した構図に納まるその意匠は即ち“完全なるもの”を表していると直ぐ理解できた。
http://53435481.at.webry.info/201107/article_3.html

古賀郁《仮面劇 r=αθ
黄色人種と思しき男性の顔には、白人の仮面をしている。さらにヴェネツィアのカーニヴァルにあるメディコ(鳥の顔のような仮面)を手に持ち、まるで今までつけていたものを外したばかりのようだ。
幾重にも重なった仮面、本当の素顔にたどり着けないような距離感を感じさせる。
人物像の背後には骸骨がおり、死を想い、自己を探求する姿勢を思わせながらも、前述の距離感のせいか、欺かれているような気がした。
古賀郁氏オフィシャルサイト:
http://ifaa.cc/artist/kk/

浅野信二《溜息の香り‐地獄太夫‐
タイトルの通りだが、西洋的地獄太夫の図であった。
ベル・エポック期の貴婦人が着る深紅のドレスの柄は、西洋的地獄にに堕ちる人々の姿。炎に包まれ、拷問されている姿ではない。
女性は画面左の蒼いカーテンの向こう側にいると思しき人物に何か囁きかけている。男女の秘め事のような、危うい雰囲気に酔いしれる。
浅野信二オフィシャルサイト:
http://www.linkclub.or.jp/~asasin/AsasinSane/

ルイジ・ラスペランザ《日の女王
Luigi Ra Speranza"La Reire du jour"
健康的な裸婦像。頭には黄色い小花が散りばめられ、蝶が髪にとまっている。
暖色系にまとまった色彩の中で、ひときわ目立つ、首から胸にかかっている、緑色の蜥蜴の姿。
西洋の図像でエヴァを唆す蛇を思い出す構図だった。


GALERIE OR・TERRE COLLECTION  -IFAA Selections-

上記関連して、別のコレクション展。
『GALERIE OR・TERRE COLLECTION  -IFAA Selections-』
美術陶磁修復 平安堂に併設されたギャラリー。
金・土曜のみの開設ギャラリーとの事。

オーナーがコレクションされた作品を展示。
今回主にIFAA会員の作品及びDMに使われているご自身の作品が展示されていた。
美術修復家のギャラリーで、ギャラリーとして開放するのは週末のみとの事だった。その運営方法やコレクションに興味があった。

今後の企画等が楽しみ。

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