大月雄二郎 「レール考」

白黒イラスト素材【シルエットAC】
JUGEMテーマ:個展
JUGEMテーマ:コラージュ
大月雄二郎 「レール考」

恵比寿・LIBRAIRIE6/シス書店にて2010/12/26まで。
http://www.librairie6.com/

シュルレアリスムの立体コラージュ作品、版画、写真作品。

DMに使われていた立体クラージュ作品、タイトルは《I miss you》
ダイヤル式黒電話のダイヤル部分のみ。
それだけで風情がある。

レール考
全部で40個ある作品群であるそうだが、展示されていたものは20個。
木片にはイギリスの鉄道のアンティーク絵葉書が付いている。
木片に振り子がついており、振ってその音を聴診器で聞く、体験型のアート。
どの木片からも、違う音がする。
この木片、本当に列車の枕木に使われていたものを使用しているとの事だった。
では、このゴトゴトという音は、列車が走る音であろうか。
そんな想像、換起された。

一千一秒物語
大月雄二郎氏による版画挿絵。
眺めていると唐突に、稲垣足穂氏の世界観と大月雄二郎氏の世界観がリンクした。
稲垣足穂氏の世界観が「ここではない、どこか」への飛翔であることと、大月雄二郎氏の「私は帰らない」という、永遠に別の場所、別の次元へ向かい続ける世界観が似て非なるものでありながら、連動しているように思えた。

世界の意味
写真作品。
陶器のトルソに書かれた英文字列。
様々な物体が象徴的に並ぶ。それは世界の意味を問いかけているのだろうか?
私にはトルソ(人間)が世界を、その意味を必死に探しているようにも思えた。
参考までに。
http://www.gallery-tsubaki.jp/2007/070205/index.htm

版画も興味深かった。
ドライポイント技法と呼ばれる、腐食を使わず銅板に直に彫って描画する凹版技法。
エッチングとは違う、筆で書いたような――腐食とは違うぼかした感じがあった。
手で描いた素朴さに近いものを感じた。

よい展示会だった。

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