秋吉巒・幻想とエロス展
JUGEMテーマ:個展
毎度の事ながら、今日までだったのだが…
銀座・青木画廊にて。
http://www.aokigallery.jp/
飯田橋に在る風俗資料館との連動展覧会だったようだ。
風俗資料館の方は行かれなかったのだが…
秋吉家秘蔵の未発表油彩・グァッシュ・鉛筆画約20点を展示。
森や川、自然の中にある裸婦像。
西洋の牧歌的という印象からは異なる。何だか湿度を感じるのだ。
草木に絡まれる女たち。
その女性像が異様に肉感的で、その肉体を誇示しているようだった。
動植物、異形のものがよりそうようにいたり、蛇や蜥蜴、乳房が施されたレリーフは作品の官能性を煽る。
どの作品もタイトルはついていなかった。
グァッシュによる彩色絵が殆どだった。
画廊の方に伺ったところ、これは主に雑誌の表紙のためのものだったらしい。SMの。
そのため、描き込みの完成度は低いようだ。
1枚の絵画としてではなく、ダンボールに詰められていたという。
「もしかしたら、気に入っていたものは再び描き込む心算だったのかもしれませんね」
故人の意図は最早わからない。
ただ、卑猥ではなく健康的な女性美に魅せられるものがあった。
さて、この連動展覧会、秋吉巒画集刊行にあわせてのものらしい。
『秋吉巒・四条綾 エロスと幻想のユートピア〜風俗資料館 秘蔵画選集1』中を拝見したところ、こちらは雑誌、本の挿絵的なものが中心だった。
『illusion―幻想画家・秋吉巒の世界』は青木画廊の展覧会とは異なる、絵画としての作品が中心だった。油彩画を拝見したところ、その絵画はモローの幻想美、ダリの曲線の官能と幻視、カンディンスキー、シャガールを思わせる色彩の絵画だった。