王妃の愛した薔薇 宮廷画家ルドゥーテの世界

白黒イラスト素材【シルエットAC】
JUGEMテーマ:美術鑑賞

 日々是勉強。
今回の日記も備忘録。
最近、アンティークプリントへの関心が高まっていますし、コレクションをしたくても、知識を持ち合わせていないので…
昨年でしたか、Bunkamuraでのルドゥーテを見に行かなかったので、リベンジの意も込めて。

王妃の愛した薔薇 宮廷画家ルドゥーテの世界

ルドゥーテの『バラ図譜』を中心とするボタニカル・アート約100点と日本初公開の肉筆画3点を展示。
オールドイングリッシュローズ系の可愛らしいピンクの薔薇達。

私がアンティークプリントで関心がある時計草が奇想の美ならば、薔薇は王道の美。

…数が多いので、作品一つ一つについて、書けそうに無い……orz
参考までに。
P=J・ルドゥーテ『バラ図譜』
http://www.macgraphic.co.jp/junko/book48.html
千露さまのブログ『Windflowers』にて、ルドゥーテについて書かれています。
http://windflowers.blog.shinobi.jp/TrackBack/735/

スティップル・エングレーヴィング(stipple engraving 点刻彫版法)
点の集合で陰影を表現する技法で、非常に高度な技術労力を要する銅板画。淡く上品なグラデーションを可能とし、画から輪郭線を一掃することが出来る。
ルドゥーテはイギリスを訪問した際にこの技法を習得し、『バラ図譜』において薔薇の透明感のある美しさを表現している。

会場では興味深い演出が。
薔薇の香りが漂っている。
パヒューマリー・ケミストの氏による、4つの薔薇の香り。
以下、その解説。

ダマスク・クラシックの香り
古典的なバラの香り。ダマッセナやケンティフォリアの強い甘さと、ガリカ系の
華やかさを併せ持っている。さわやかさを併せ持っている。

ティー系
香り立ちは中程度だが、上品で優雅な印象を与える。モダンローズに最も多くある香りで、HT種の多くは量の多少はあるものの、このタイプの香り成分を含む。

スパイシー系
ダマスク・クラシックの香りが基調だが、丁字(グローブ)様の香りがやや強く感じられ、スパイシーな香りが特徴。

ダマスク・モダンの香り
ダマスク・クラシックの香りを受け継ぎながら、香り立ちは情熱的で洗練されており、ダマスク・クラシックとは含有成分の組成比が異なるため、香りの質も異なって感じられる。

一言で「薔薇の香り」と言っても、これだけ様々にあるのかと、今更のように感嘆してしまった。

《ロサ・ケンティフォリア》より『命 ~La Lavie~』華麗なる開花そして静かに尽きていく命
ルドゥーテの作品《ロサ・ケンティフォリア》に時間を与え、生あるものの宿命を3DCGで表現。
輪郭線で縁取られていない再現もさることながら、花弁だけでなく茎や棘の微妙な色彩の再現もされている。そして、次第に萎れてゆく様も、ルドゥーテの持ち味を3DCGで再現されていた。BGMのヴァイオリンの音が薔薇の叙情でもあるように思えた。
時間を止めたものに与えられたものはループする時間だった。

ルドゥーテの肉筆画3点
ヴェラムの上に手書きしたもの3点。
“Fleur de camelia rose et blanc"カメリア
“Bouquet de renoncules roses et pensees bleues et jaunes"ラナンキュラスとパンジーのブーケ
色の濃厚さと描写の緻密さは版画の比では無い。

土地柄というものでしょうか。
会場にはいかにも園芸を趣味とされていそうな女性の方が多かった。

実際、会場近くでは関連イベントもあり、園芸家のトークイベントだった。
途中から参加したのですが、イングリッシュローズを生み出し続けるデビット・オースチン・ローゼス社よりルーク・スティムソン氏による、イングリッシュローズの歴史と薔薇の栽培について、今年の新種についてのお話しでした。

濃厚な薔薇の世界、図鑑と言うこともあって植物学的にも正確なその緻密な描写。芸術としても魅せられる。

5月、薔薇が咲き乱れる季節。
庭の薔薇も咲いています。

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