幻想の画廊から
銀座~茅場町間をギャラリー巡り。
そのテーマはやはり“幻想”
『IFAA OBLIQUE』
銀座・青木画廊にて。
http://www.aokigallery.jp/
昨年もあったか、国際幻想芸術協会の展覧会。
『幻想芸術展 2010』
中嶋清八氏の銅板画を拝見しに。
《眠り(忘却)》
大判の版画。蛾を中心に展開するシンメトリックな構図。男女のヌード。
それは哀悼の雰囲気があった。
忘却――
それは現実か、眠った時に見た夢か、そんな事を想像させられた。
蛾の蟲惑に魅せられる。
作品が掲載されていらっしゃるので、リンク。
http://53435481.at.webry.info/201101/article_6.html
今回の展覧会は、比較的小作品が多かった。
そのためか、より個人的な精神世界である印象を強く感じさせた。
後、絵の具や版画で描かれたものの方が、CG作品よりも、物質感・存在感があることを改めて実感した。
これは私の弱味である。
IFAA Official Site
http://ifaa.cc/
『菅原優展 部屋にあるドラマ』
銀座・青木画廊にて。
2011/2/10まで。
DMの異質な造形に惹かれてしまった。
興味深かった人物の頭部の変形。
人の形ですら無くなったそれらはしかし、その人物を表していた。
例えば《観察者》と題された人物画の手元には顕微鏡。人物の頭部はその形を反復する造形だった。
《彼の部屋》
パネルに描かれた人物画。
書斎が、部屋がその人自身を表す、という事だろうか。
絵が掛けられた壁を背にした人物に頭は無い。しかし背後に掛けられた絵の中では肌色の物体が伸びて変形し、絵同士を結びつけている。
そして部屋全体を支配しているようだった。
“人は自分に関係するあらゆる関係を考えずにはいられない。
自分に纏わるもの、それが自己を成り立たせる”
そんなことを想起させられた。
菅原優氏サイト『夜警番宿舎』
http://homepage2.nifty.com/yakeiban/
『北川健二 千年劇場―ヴェネツィアの〈逃げる水〉を求めて』
森岡書店にて。
http://www.moriokashoten.com/
昨年はモノクロの写真が中心だったが、今回はカラー写真が主となる。
《チェイルリーの青の彫像Ⅰ》
銀座の別の画廊での個展にて、気になっていた写真。
『北川健次展 (12断片-PARIS・VENEZIAの黒い廻廊を巡って)』
ただ、今回の写真にはコラージュが施されていた。
英文字の内容は写真と直接の関係は無いかも知れない。しかし文字の造形であったり、その場所に在る事に意図はある。
ヴェネツィア写真の中で唯一違う場所、フランスのチェイルリー宮殿。
その存在自体が不思議に思えた。
北川健次先生公式サイト
http://kenjikitagawa.jp/