ドゥシャン・カーライの超絶版絵本とプラチスラヴァの作家たち
明日までである事に気付き、慌てて行った。
『ドゥシャン・カーライの超絶版絵本とプラチスラヴァの作家たち』
住宅街の一角にある自然公園の中の小さな美術館、
板橋区立美術館にて。
http://www.city.itabashi.tokyo.jp/art/
ドゥシャン・カーライの代表作『不思議の国のアリス』や4年の歳月をかけて制作された『アンデルセン童話集』を含む絵本原画、油彩画、版画、アニメーション原画など約250点が展示。
色相豊かなイラストレーションは人を惹きつけてやまない。
一つの色をとって見ても、それらは他の色と混ざり、微妙なグラデーションによって成されている事に気付く。それがガッシュに深い味わいを生み出している事にも。
カーライ氏の作品は一定の画材・技法に留まっていないようだった。
最近、CGで絵を描くようになってしまっていたので、水彩や色鉛筆を用いた素朴さや油絵具の重み、版画の緻密さが懐かしく、心に響くものがあった。
それぞれが、矢張りそれぞれに独自の色を放っている。
版画はとても緻密で、絵本の挿絵の時よりも何処か鬼気迫るものさえ感じさせた。
http://www5e.biglobe.ne.jp/~exlibris/page011.html
チェコの画家やイラストレーターが生み出すもの達は何故こうも独特の愛嬌のあるものたちなのだろう。
シュヴァンクマイエルも然り。チェコの宮廷で高く評価されたアルチンボルドなど、奇想で不気味さがありながらも、見ていて楽しくなる、絵の中に引き込まれたくなってしまう。
その流れを組んで、今も続くチェコアニメ・ブーム。
色使いや形の表現の異質さにコラージュ的なものも感じるが、それは核心では無いだろう。
その不思議さ、魅力について私は多くを語れない。
美術館では子供連れが多かった。
子供は“おもしろいもののはっけん”を求めて声を上げ、歩き回っていた。
子供の冒険心溢れる姿が、絵本原画展の雰囲気にふさわしく、住宅街側の美術館らしい光景だと思った。
ところでこの展覧会のチラシとチケット、なかなか拘りがある。
遠近法を用いた絵本の形をしているのだ。それこそ、絵本の表紙のように絵が配されている。紙も特殊加工されたものだった。
しかし、欲を言えば図版…もう少し絵を大きく掲載してもらえなかったのだろうか。
…あ、絵本を買え、という事か。